背景

エビデント株式会社(エビデント)は、オリンパス株式会社の科学事業を分社化して設立された企業です。ライフサイエンス分野、産業分野向けに生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器、X線分析計等の製品を提供しています。

同社では、脳神経、がん、免疫などの研究分野で、生体深部までの観察・解析をサポートする共焦点レーザー走査型顕微鏡や多光子励起レーザー走査型顕微鏡の提供はもちろん、新たな付加価値機能を提供する手段としてAI技術に注目をし、独自技術の研究開発を行っています。

エビデントのソフトウェア開発部門では、AI技術の研究開発を進めるために、TC3の「伴走型AIプロジェクト支援サービス」を活用し、TC3が保持するTopcoderやその他国内外の腕利きのエンジニアとのネットワークを活用して、事業横断的にAIに関する研究開発を進めています。

その取り組みの一環として、新たな付加価値提供のため、FV4000(共焦点レーザー走査型顕微鏡)向けの画質向上機能(TruAI Noise Reduction)について高品質を維持しつつ、推論処理時間の短縮を目指した改善活動を行いました。

ノイズ除去モデル改善へのアプローチ

「伴走型AIプロジェクト支援サービス」では、様々な課題について2週間を1つのスプリントとして、成果を出していくアジャイルの考え方を取り入れたプロセスでプロジェクトを進めていきます。

結果

今回のFV4000向け画質向上機能(TruAI Noise Reduction)の改善については、事前に提供された現行のAIモデルをComputer Visionのモデル開発を得意としたTopcoderのメンバー及び国内のフリーランスに共有し、高品質と推論処理時間の短縮の両立のためのアプローチアイデアの提示から、推論モデルの変換や蒸留モデルの作成などを約3回のスプリント(約6週間)で行いました。また、当初の目的であった高い精度のまま、推論処理時間を40%改善することに成功しました。

本成果を搭載した、脳神経、がん、免疫などの研究分野で、生体深部までの観察・解析をサポートする共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV4000」と、多光子励起レーザー走査型顕微鏡「FV4000MPE」の2機種を、2023年11月1日から全世界で販売開始されています(プレスリリース)。

お客さまの声

「今回の事例では様々な処理時間短縮のアプローチを短期間で実施いただき、弊社で開発した機能はそのままに、実運用に耐え得る高速化が短期間で実現できました。製品化段階で発生する様々な技術課題の解決について、TC3さんのサービスによりTopcoderの知見を借りることで、製品化までのスピードが加速できると感じています。」(ソフトウェア開発 認識・解析技術 千葉様)

「コンピュータビジョンに留まらず、LLMや高速化・最適化、時にはWebアプリ開発など、困ったことを相談すると答えられない事が無いと思えるほどあらゆる事に対応頂け本当に技術力の高さを感じます。技術進歩の速いこの時代、社内にない技術を頼れる存在として今後も沢山助けてもらえたらと思います。」(ソフトウェア開発 認識・解析技術 宮脇様)

おわりに

TC3では、Topcoderや国内外の腕利きのエンジニアを活用してAIの研究開発やプロダクトへの実装に向けたAI開発を支援する「伴走型AIプロジェクト支援サービス」を提供しています。最新のAI知識をもったAIアーキテクトがAI開発の戦略作りをご支援し、実開発についてはTopcoderなどの力を活用してスピーディにAI開発を行います。(>>資料ダウンロードサイトへ

また、AI開発のプロジェクトシート生成からタスク分割などをセルフサービス化し、TC3が持つ腕利きのエンジニアネットワークにつなぐことができるGigCometをベータ提供しています。(>>GigCometベータ版サイトへ

ご興味あるかたはぜひ一度お問い合わせください。