背景
富士通株式会社(以下、富士通)は、Web3の要素技術を活用することができるプラットフォームとして「 Fujitsu Web3 Acceleration Platform」を提供しています。またTC3は、Web3領域のサービス開発やDAOコミュニティ・サービスなどのプロトタイプ開発や実証を通し、TC3が掲げるGig Innovated.のビジョンを実現に向けた活動を進めるため、富士通のグローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画を表明しています(参考)。
富士通はWeb3テクノロジーとして、データにトラストを与え、安心安全なデータ流通を加速し、異なるサービス間や、個人や企業間の安心安全なデータ流通と活用を実現するAPI群を提供する、Fujitsu Computing as a Service Data e-TRUSTを提供しています(参考)。
今回、富士通とTC3はFujitsu Acceleration Program for CaaSの枠組みの中で、Data e-TRUSTを活用した新たなアイデアを募るため、「Re-inventing Consortium by Web3 DAO Technologies(Web3 DAO技術を活用しコンソーシアムを再発明する)」と称し、Topcoderアイディエーションコンテストを開催しました。
コンソーシアムに焦点を絞りコンテストを開催
コンソーシアムによる活動は、従前より企業からの代表者や識者を募り、特定領域の先進的な技術活用の検討、実証実験などを通して最終的には各社の事業化などをゴールとして運営されていました。コンソーシアムにおける活動は、企業に属する個人が派遣されそれぞれのボランティア活動として行われていました。今後Web3 DAO技術の発展とともに個人にも開かれた活動になる可能性があることや、各社の貢献度が可視化できていないなどの課題から、Web3関連の技術や、それに付随した新たな技術アイデアを活用することで、新しいコンソーシアムのあり方を実現するためのアイデアを本コンテストで収集することにしました。
本コンテストは、2023年8月25日から9月14日までの約3週間程度の期間で開催され、準備期間を含めると約2ヶ月半のプロジェクトとなりました。プロジェクト全体の流れとして、(1) SPEC作成 → (2)コンテスト開催準備/プロモーション → (3) コンテスト運営/評価、といった大きく3つのステップで進められ、評価上位5名のアイデアをまとめたレポートファイル(PDF及びWord形式)を成果物として獲得しました。
コンテスト仕様書(SPEC)作成
両社でのトピック選定後、Topcoderに所属するメンバーが理解できるような内容に仕立て上げるため、複数回のミーティングを開催し、コンソーシアムにおける従来の課題感の洗い出し、図式化するポイントなどをディスカッションを行いました。
Topcoderメンバーの興味を掻き立て、求められる成果物や、どのような点が高く評価されるかなど的確にコンテスト開催サイトにおいてしっかりと提示するために、文章や図などを使いながらSPECを作成を行いました(コンテスト開催サイト)。
中間評価
アイディエーションコンテストにおいては、それまでに提出された成果物を確認し、参加者全員に良い点や改善点を伝えることでより良いアイデアを得る仕組みとして、3週間の中間でチェックポイント評価を設けています。事前に決めた評価基準をもとに提出されたレポートを関係者で確認し、最終版の成果物への方向性を
最終成果
本アイディエーションコンテストには合計218名が参加し、そのうち26名が成果物の提出を行いました。Fujitsu Accelerartion Platformで提供される技術とオープンなDAO技術を活用したコンソーシアム運営のアイデアを得ることができました。アイデアには、どのような技術を活用すべきかの提示や、具体的なアーキテクチャ図やドメイン設計図などが提示されるものも多く含まれていました。
現在、アイディエーションコンテストで最終的に獲得した5件のアイデアをもとに、プロトタイプ版のウェブアプリを開発することが検討されています。今後の富士通とTC3の活動にご注目ください。
最後に、今回のコンテストに関して、富士通の野村様より評価のコメントを頂戴しております。
「Web3という新たな領域でのアイデアコンテストの成果は予測が難しかったものの、TC3社との協働により、素晴らしいアイデアが集まりました。本活動に当たっては、明確なコンテストSpecの作成や適切な評価などの課題が予想されましたが、TC3社の豊富な経験と高いスキルが活かされ、我々は安心して取り組むことができました。
その結果、コンテストにはTopcoderのグローバルなエンジニアが多数参加頂き、我々自身だけでは生み出すことのできないアイデアを得ることができました。このコンテストを通じて得られた革新的なアイデアは、今後のWeb3分野における取り組みに大きなインパクトを与えることが期待されます。」
ー富士通株式会社 Hybrid-IT事業本部 CaaSフレームワーク部 シニアマネージャー 野村 洋治様
おわりに
TC3はTopcoderコンテストの運営のみならず、ウェブアプリケーション開発やAIモデル開発など、ギグエコノミーを活用した様々な開発支援をおこなっています。
● デジタル顧客接点トータルサービス
「デジタル顧客接点トータルサービス」として、お客様が提供するウェブアプリケーションの新規開発、モダナイゼーション開発を、企業の競争優位性の核となる、アイデンティティ管理を中心に支援しています。TC3はOktaのSolution Provider Partner(Select)であり、認証認可を含めたウェブサービス開発をTopcoderを中心としたギグ・エコノミーとの共創で実現いたします。
● データサイエンス伴走支援サービス
AI(機械学習、深層学習)領域におけるPoCからアプリケーションへの実装までを伴走型でご支援するサービスです。このサービスでは、Topcoderを中心とした世界トップレベルの機械学習、アルゴリズムエンジニアからのサポートにより最短ルートでアプリケーション実装までお客さまをご支援いたします。
● GigOps
GigOpsはギグ・エコノミーとの共創によりソフトウェア開発の品質と速度を高める仕組みです。 Topcoderで得た弊社独自の知見を広め、多くのソフトウェア開発に活かしていただけるよう、プロセスとツールの開発をしています。現在、本プロダクトのリリースに向け様々なフィードバックを募集しております。ぜひ、早期アクセスプログラムへご参加ください。(ご登録はこちら)。