富士通研究所が開発した、ブロックチェーンの応用による分散データアクセス制御技術である「VPX」を活用した「これまでにないサービスの実現」「既存サービスに追加できる新たな情報流通の実現手段」をアイディエーションコンテストにより考案し、そのアイデアを可視化するためにUI/UXデザインコンテストを実施。
お客様が抱えていた課題
VPXの活用事例、想定活用事例を多く提示することでエンドユーザーに具体的なイメージを持って貰うために、社内で検討したユースケースに加えて、ブロックチェーン以外の様々な最新技術のスキルを持つグローバルのTopcoderメンバーからの新鮮なアイデアの獲得の必要がありました。
コンテスト概要
富士通研究所の課題に対して、VPXの技術を活用した新規サービス、または既存サービスに追加できる新たな情報流通の仕組みを求めるべく、TC3からTopcoderによるアイディエーションのコンテストを、さらに、採用されたアイデアを顧客向けのデモンステーションができるためのデモアプリを想定したUI/UXを作成するためのコンテストを実施しました。
各コンテストにおいて参加者に求める要件は、富士通研究所によるご要望をベースにTC3にて取りまとめ、下記のとおり確定しました。
◆ アイディエーションコンテストに対する要望事項
- VPXの全く新しい利用アイデアや、VPXを活用した既存サービスの新しい使い方であること。
- デジタルリソース(*)の提供者や利用者、流通させるデジタルリソースの種類、流通時におけるルールを明確に述べること。
- 考案するアイデアにおけるベネフィットや対象利用人数の規模、既存サービスの新しい用途の考案の場合は、既存とのベネフィットの差異を明示すること。
◆ UI/UXデザインコンテストにおけるデザインの要望事項
- VPXテクノロジを利用する特徴とベネフィットを明確にできること。
- VPXでのサービスを利用するそれぞれのアクター(デジタルリソースの利用者、提供者および管理者)が必要とする情報が適切に表現されていること。
実際にコンテスト参加者に提示した情報の詳細は、下記Topcoderのコンテストページよりご確認頂けます。
アイディエーションコンテストの要件定義資料掲載(兼 参加登録)ページ :https://www.topcoder.com/challenges/30069914
UI/UXデザインコンテストの要件定義資料掲載(兼 参加登録)ページ :https://www.topcoder.com/challenges/30072924
コンテスト結果
それぞれ3週間ずつで実施した短期間のコンテストにも関わらず、合計で世界22ヶ国からのべ103名もの参加登録があり、ユニークで今後のサービス検討に繋がるアイデア得ることができ、さらに、より魅力的なサービスとするために、VPXの機能に追加できるブロックチェーン以外の技術、またはサービスの応用範囲のアイデアを得る事ができました。
また、お客様が抱えられていた「ブロックチェーン以外の最新技術のスキルを持つ、グローバルのTopcoderメンバーからの新鮮なアイデアの獲得」という点についても、今後、富士通研究所独自の技術を広げる為の知見を得ることが出来たコンテストとなりました。
◆ コンテスト結果サマリ
コンテスト | 参加者数 | 実施期間 | 成果物数 |
アイディエーション | 21カ国/78名 | 19日 | 14件 |
UI/UXデザイン | 7カ国/25名 | 20日 | 4件 |
◆ コンテスト参加者の出身国(アイディエーション)
アメリカ、アルメニア、イタリア、インド、インドネシア、ウクライナ、エジプト、カナダ、中国、デンマーク、ナイジェリア、日本、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ブラジル、ベトナム、ペルー、ポーランド、南アフリカ、ロシア
◆ コンテスト参加者の出身国(UI/UXデザイン)
インド、南アフリカ、インドネシア、アメリカ、ベトナム、中国、タイ
成果物サンプル
今回のプロジェクトでのコンテストにおいて入賞した成果物のうち、アイディエーションコンテスト1位の成果物と、UI/UXデザインコンテスト1位から3位までの成果物を掲載します。アイディエーションコンテストの成果物については内容のイメージのみご紹介にとどめ、UI/UXデザインコンテストの成果物については、各成果物の全体の画面の中からダッシュボードの画面のみを掲載しています。(UI/UXデザインコンテストの成果物はクリックすると拡大されます)
◆ アイディエーションコンテスト1位 – MiG-29(United States)
アイディエーションコンテストの成果物に記載された内容(目次)
・これから述べるアイデアについて思案に至った背景
・アイデアの詳細
- アーキテクチャ図
- 誰がデータを作成するか
- 誰がデータを利用するか
- 共有されるデジタルリソース
- データ共有(利用)する理由
- データ共有(利用)する方法
- GDPR対応
・提示したアイデアをVPXテクノロジーを用いて実現するベネフィット
・VPXでアイデアを実現するにあたって薦める付加機能
・アイデアの実現に必要となるVPXの新たなマイクロサービス(API)
※提示した要件に対して、上記のような構成でアイデアが纏められ提出されました。
◆ UI/UXデザインコンテスト1位 – iamtong(Thailand)
◆ UI/UXデザインコンテスト2位 – armaan6651(India)
◆ UI/UXデザインコンテスト3位 – khanhlinh(Viet num)
お客様からの評価
アイディエーションコンテストについて、Topcoderのコミュニティに属する世界中のアイデアマンから、数多くの多様なユースケースアイデアを得る事ができました。特に、コンテスト時に提示した我々の要件を汲んだ上で、アイデアの具体例を提示してくる成果物が多く、成果物の中で自らのアイデアをより伝わり易くしようという参加者の意気込みを感じるプロジェクトでした。
UI/UXデザインのコンテストにおいても、各デザイナのセンスも勿論のこと、VPXの仕組みそのものの良さをきちんと伝えるよう、UIが考慮された成果物を得る事ができたと感じています。特にそれぞれのアクターの関係が具体的に図示されており、きちんと我々の意図を汲んでデザインをしてくれているという感覚を得ました。
(サービス指向ネットワーク研究センター 情報指向ネットワークPJ 伊藤 章 様)
VPX技術の関連資料
ブロックチェーン 独自技術
http://www.fujitsu.com/jp/innovation/blockchain/proprietary-technology/
ブロックチェーンの応用による安心・安全なデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/06/5.html
Virtuora DX データ流通・利活用サービス
http://www.fujitsu.com/jp/products/network/carrier-router/dataexchange/virtuora-dx/saas/