背景

株式会社リーゴ(以下、リーゴ)は、当初旅行予約サイトを運営していましたが、新型コロナ感染症の流行に伴い、新たなビジネスを模索していました。複数の自治体や観光事業者のへのコンサルティング業務を通し、自治体や観光事業者が持つ課題を見出しました。その課題とは、自治体や観光事業者が国内外の観光需要が膨大にある一方で、サービス業、宿泊・飲食業などの観光の要となる地元に根ざした事業者がデジタルマーケティングや、そこから生まれるデータを活用した改善活動ができていないという点です。

そこで目をつけたのが、ほとんどの個人がスマートフォンに導入しているGoogle Mapのデータです。Googleマップは、世界で最も利用者数の多い旅行アプリです。世界12億人以上、日本人のユーザーも月間4700万人が利用するほどです。中国の本土の方も、地元ではBaiduマップを利用しますが、日本やその他海外に行く際にはGoogleマップをダウンロードして利用します。また、Googleマップでは世の中全てのスポットを探せますが、最近では、フライトやホテルだけでなく、飲食店・テーマパークチケット・お土産屋・列車など、旅行に関する全ての予約・購入をGoogleマップで行えるようになり、予約・購入利用者数も急速に増えてきています。そうした中、Googleマップの管理画面であるGoogleビジネスプロフィール(以下「GBPという」)の事業者側の運用率は低い状況です。その大きなギャップにリーゴはチャンスを見出しました。


このような背景から、地方自治体や観光事業者向けにGoogle Map(GBP)を活用した、地域見える化・連携プラットフォーム『エリアコンパス』を企画しました。

お客様となる地方自治体や観光事業者向けに必要となる機能をリーゴの内製チームで企画し、デザインを作る一方で、深い経験や幅広いテックスタックに対応でき、0→1でのプロダクト開発ができるエンジニアの獲得に苦戦していました。その中で、グローバルのハイスキルなエンジニアと連携し、アジャイルに開発ができるTC3に声がかかりました。

開発支援をしたエリアコンパスのイメージ

内製チームのサポート

開発にあたって、リーゴにて準備されていた機能一覧とそれをベースとしたプロトタイプデザインを元に開発見積もりを行い、目標である2023年1月の一般リリースに向けて12月までの計画がなされました。

リーゴのプロダクトオーナー(PO)加藤様、オースティン様を中核とする内製チームに、TC3及びTC3が活用するギグエコノミーが参画しチームを形成しました。MVPとしてお客様へコアな価値を届けることを目標とし、ワンチームとなりプロジェクトを進行しました。

「高品質のプロダクトを作れるハイレベルなエンジニアを迅速にアサインできる体制は、とても価値があると思います」

リーゴ プロダクトオーナー 加藤様

アジャイルな開発プロセス

本プロジェクトでは、2週間のスプリントをベースとし、デモによる成果物の確認を行い、基本的にはデザインと機能一覧を参照しながら優先順位付けや機能についての共通理解を形成するように進めました。

プロジェクトの最中では、当初想定していなかった開発工数が必要であることが判明するなどのことがありましたが、チーム内で相談した上で当該スプリント内で実現すべき機能の優先順位付けなどを行いました。

また、機能一覧やデザインから仕様が不明瞭だった場合には、Slackを活用した非同期のコミュニケーションにより、仕様の理解を深めました。POからスピーディに確認があるため、スプリント内で支障はほとんどありませんでした。

TC3とワンチームでの開発プロジェクトの結果は、期待値以上だと感じました。特にGig Agile手法(TC3アーキテクトとScrum Masterが弊社の詳細ニーズを擦り合わせ、専門性高い海外エンジニアと連携)が、ニッチなユースケースのプロダクトを高品質で迅速に開発したいという弊社のニーズにとても合致したと思います

リーゴ プロダクトマネージャー 加藤氏

継続的インテグレーション基盤の導入

開発期間中も展示会やベータユーザーに対するデモなど、顧客課題の収集やサービスとして耐えうるレベルかをリーゴが実施し、それに対応した機能追加・修正などをリーゴとTC3が形成する開発チームで対応しました。

この基盤を支えるのが、TC3のナレッジを詰め込んだ、「TC3 DevOps テンプレート」です。今回のケースでは、MVPの開発であるため、GitHub ActionsとTerraformを活用して継続的インテグレーション・継続的デプロイメントを実現しました。このDevOpsテンプレートを活用することで、Gig エンジニアが開発(コーディング)したものをすぐに環境に反映することができました。

目標通りリリース完了

複数回の内部リリースを経て、目標である一般公開をすることができました(参考:プレスリリース)。また、2023年1月のリリース後も継続的に追加機能の開発や修正を同チームで行っており、引き続き国内の地方自治体及び観光事業者のサポートになる追加機能をタイムリーに提供できるように進めています。

今後、リーゴでは自治体や観光事業者のデータ経営を支える位置づけとしてエリアコンパスを拡張していく予定で、それによる地域全体の生産性向上を支援することを目的として考えています。また、具体的なロードマップとしてはAI技術を活用した口コミ分析機能の追加や、Google以外のデータの取り込みなども検討しています。

最後に、リーゴ 代表取締役 宮本氏から以下のコメントを頂いております。

「このようなビジネス・サービスの拡張を見据え、基本的には、顧客ニーズを踏まえた開発のリードや社内の別の部門との連携ができる内製チームを増強します。一方、外部開発会社様とも連携をとり、アジャイルな開発体制を強化していく予定です。プロダクトの中枢は内製、一方柔軟な開発ができるよう外部企業との連携も引続き強化という感じです。TC3さんには、これらのビジョン達成に向けて引き続きサポートいただければと考えております」

おわりに

TC3が提供する「デジタル顧客接点トータルサービス」

TC3は、ギグエコノミーを活用した独自の開発手法である、GigAgileを活用しお客様のサービス開発をご支援しています。アジャイル開発に必要となる、DevSecOps基盤も含めてご提供しています。また、TC3はOktaのSolution Provider Partner(Select)であり、認証認可を含めたウェブサービス開発をTopcoderを中心としたギグ・エコノミーとの共創で実現いたします。

ご検討の段階から、どのようにIDaaS/EIAM/CIAMを導入するかについてもサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。詳しくは『デジタル顧客接点トータルサービス』をご覧ください。

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