ギグエコノミーの活用法の一つである「オープンタレントモデル」と、企業がそれを導入する際のリアルな課題と解決例を示した調査レポートについて、TopcoderのGlobal Strategy及びGo-to-MarketをリードするAdam SandlinのTopcoder公式ブログ記事の翻訳版をご紹介します。
新しい試みには困難が伴うものです。それはその試みに価値があると分かっていたとしてもです。また、それらが実際には新しいものではなく、あなたにとって新しいだけである場合には、より難しく感じることでしょう。そんな状況が”オープンタレント・モデル”と紹介されるクラウドソーシングやフリーランシング、ギグ・ワーキングの現状かも知れません。しかし、これらのモデルを採用する先進的な組織は非常に大きな価値を享受しており、ユースケースに次ぐユースケース、そしてまた新たなユースケースが次々と生まれています。
オープンタレント・プラットフォーム(もちろんTopcoderもその一つです。)はプラットフォームと顧客から生まれる成果とストーリーに光を当てます。一方で学術機関やコンサルティング・ファームは実証の為のアドバイスと戦略ロードマップを提供し、ソリューション・ベンダーは彼らが成し遂げた偉大な成果を強調します。これらはもちろん価値のあるインプットに違いはないのですが、ほとんどたった1種類の聴衆、CEOのみをターゲットとしており、企業全体を単位とするミクロフォーカスである為に、それらのインプットだけで十分とは言えません。
今日のギグエコノミーモデルに関するリーダーシップモデルやリサーチ、またはメディアの記事は、実際のプロジェクトを推進し、どのモデルが自分たちに適しているかを考え、購入の決断と予算を得る為の交渉を行い、そのモデルが如何に彼らをサポートするのかを粘り強く探索する企業の個々の社員やプロジェクトチームなどの『組織の中のメンバー』に対して書かれているものは少ないのが現状です。簡単に言うと、私たちの業界はビジョンを売ることには成功しているものの、そのビジョンに即して企業が実行することへの支援としてはまだまだするべきことが多くあるということです。
この大きな理念のもとに、TopcoderはOpen Assemblyとパートナーシップを組み、オープンタレントモデルを活用する際に必要な具体的なアクションに焦点を当てた、新たな調査レポート『Open Accembly Quarterly:新しい働き方の世界で、いかに生き残るか?』を発行しました。この調査レポートの作成に際して、私たちは一般的な「課題」「ソリューション」「結果」から構成される抽象的でマクロフォーカスなケーススタディの考えは捨て去りました。その代わりに「この調査レポートに記載される成果は、読者がこのコンテンツ以外に何も知らなかったとしても再現出来る内容だろうか?」という質問を全てのコンテンツに対してぶつけた上で編集を進めました。
そして、私たちはこの調査レポートをより個人ベースで理解し易いものにしました。クラウドソーシングやギグエコノミーモデルの活用に慣れていない状態でその活用を行なう場合、一般的なプロジェクトタイムラインを壊しかねません。そのリスクを持つのは「企業」ではなく、それはプロジェクト期限を守る責任を持つ、プロジェクトマネージャーなのです。企業体は一定の形を持たないものです。決断を下したり、説得されたり、また、参加をするのは実在する人間なのです。結果的にこの調査レポートは、そのほとんどが自身の経験によるアドバイス、ガイダンス、またオープンタレントモデルの実際の経験者からの事例で構成されることになりました。
この調査レポートは、ギグエコノミーモデルの導入の苦労、または知的財産権やコンプライアンスへの対応、コミュニケーションの取り方、プログラム構造について、GE、NASA、Microsoft、Topcoder、Anadarko、そしてWorkday等の企業・組織のリーダーに対して行われたインタビューが含まれています。
この新たな調査報告書はクラウドシソーシングを導入する際に企業が頻繁に直面するハードルに焦点が当てられ、それらを克服するための洞察を提供します。その中には新たな課題もあり、昔からの課題もあります。いずれにしても、それらは解決が難しいものでありますが、問題解決に関して単に学ぶだけではなく、自らが解決しそれをスケールさせたいと願う全てのみなさまが避けて通れない重要なトピックです。これらの課題に対してみなさまそれぞれの会社に最もフィットするソリューションを協議し決定する必要がありますが、この調査レポートは、そうした困難に立ち向かっているのは自分だけではないという証拠でもあります。
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